講師への謝礼で源泉徴収と消費税の計算方法や交通費について

ryousyuusyo

講演会などで講師をお願いする場合、謝礼金の源泉徴収をするのかしないのか。
消費税はかかるのか。いくら源泉徴収すればよいのか。
など、分からないことがいっぱいですね。
講演してくれた講師へスムーズに謝礼をお渡しできるように、こちらでは謝礼の基本的な考え方と計算方法などまとめました。
初めての方でも安心な、謝礼金の用意の仕方をお伝えします。

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講師への謝礼で源泉徴収しなくて良い場合

講演会の講師が法人か個人かを確認する

源泉徴収が必要かどうかは、講演料をお支払いする相手が法人なのか個人なのかによって違ってきます。
法人へ講演をお願いした場合は、法人が社員又はその他の講師を派遣してくれたことになります。
法人名義の領収書をいただくか、法人の口座へ謝礼を振込み、源泉徴収は必要ありません。

反対に個人へ講演を依頼した場合は、支払う側が源泉徴収して納税しなければなりません。
※講演料から源泉徴収した税金の納付期限は翌月10日です。
納付の特例にはなりませんのでご注意ください。

法人・・・源泉徴収は不要

個人・・・源泉徴収が必要

講師謝礼金の源泉所得税の計算方法

講師への謝礼をお支払する時にかかる税金は源泉所得税と消費税があります。
計算にかかる源泉所得税の税率は報酬額によって異なり、消費税についても注意が必要です。

謝礼金の金額によって源泉所得税が変わります

報酬等の金額に応じて以下のように源泉徴収税額は計算します。

100万円以下の場合:支払い金額×10.21%

100万円超の場合:(支払い金額-100万円)×20.42%+102,100円

講師への謝礼に消費税はかかるのか

消費税の課税対象とはこのように定義されています。

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引を課税の対象としています。国税庁HP【No.6201 非課税となる取引】より引用

では個人の講師への謝礼金には消費税はかかるのか?

これは、専門的な知識などに基づいたサービスの提供を行ったということで消費税の課税対象となります。

さらに

報酬・料金等の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金等の額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません。国税庁HP【No.2795 原稿料や講演料を支払ったとき】より引用

となっていますので、請求書・領収書には消費税の明細を載せるようにしましょう。
これをちゃんと書かないと、消費税にも源泉所得税がかかってきてしまいます。

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講師の謝礼のお車代にも源泉徴収は必要か

まず、講演料・お車代をお支払する相手が法人の場合は源泉徴収は必要ありません。
個人へのお支払いの場合、交通費として現金を支払う場合は源泉徴収が必要です。

講師への交通費も原則的には報酬に含まれるからです。

それでは、お車代をお渡しする時に源泉徴収しなくて良い場合を見てみましょう。

報酬・料金等の支払者が直接ホテルや旅行会社等に支払った場合は、報酬・料金等に含めなくてもよいことになっています。国税庁HP【No.2795 原稿料や講演料を支払ったとき】より引用

どういうことかというと、交通費を支払う側が直接交通機関や旅行会社へ支払った場合には源泉徴収はしなくて良いことになっています。

例えば
・支払う側が切符を購入し講師へ切符を渡した場合。
・講師が切符を買う場所に同行して、支払う側が現金等で切符代金を支払った場合。
などです。

間違いやすいので注意しましょうね。

講演会の謝礼と交通費の計算式

講師へお渡しするには切りの良い金額でお渡しすることが多いと思います。

少額の金額を一覧にしましたので、上で書いた内容と見比べながらを参考にしてください。

支払額 額面 源泉所得税
(10.21%)
消費税
(8%)
10,000 10,226 1,044 818
20,000 20,452 2,088 1,636
30,000 30,678 3,132 2,454
50,000 51,130 5,220 4,090

【例:お車代として10,000円を講師へ渡す場合】
10,226円(額面)×10.21%=1,044円(源泉所得税)
10,226円(額面)×8%=818円(消費税)
10,226円(額面)-1,044円(源泉所得税)+818円(消費税)=10,000円(支払額)

まとめ

講師への謝礼や交通費の源泉徴収についてまとめ。
・法人への謝礼は源泉所得税と消費税は不要
・謝礼額によって源泉徴収税額が変わる
・基本的には謝礼に消費税もかかる

講師へ渡す領収書や封筒の書き方は【こちらの記事】でまとめています。
合わせてご確認ください。

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