海外の映画やドラマを観ていて、飛行機が「メーデーメーデー!」と信号を出している姿を観た事はありませんか?
しかしSOSとの違いや祝日のメーデーとの関係など、なんだか疑問が残る救難信号ですよね。そこで今回は救難信号としてのメーデーについて、気になる疑問点を解説していきたいと思います!
飛行機のメーデーメーデーと5月1日のメーデーとの違いは?
救難信号のメーデーメーデーと5月1日のメーデーの違いは『語源』にあります。
まず、救難信号のメーデーはフランス語の「ヴネ・メデ」という言葉から来ています。
「ヴネ・メデ」はフランス語で「助けに来て」と言う意味があるのです。
何故フランス語が採用されたのかというと、メーデーが救難信号に使われるようになった1923年に最も飛行機が飛んでいたのが、パリのル・ブルジェ空港だったからと言われています。
次に、5月1日のメーデーは「May Day」という言葉が訛ってメーデーになりました。
「May Day」は直訳すると5月の日となります。
同じ発音ですが、意味は全く異なります。
ただし救難信号を出す時は「メーデー メーデー メーデー」と3回繰り返す必要があるのです。
SOSとメーデーメーデーの違いは?
同じ救援信号としてSOSがありますが、メーデーとの違いは通信手段です。
SOSについて
救援信号としてSOSを発信するときに使うのが、モールス信号です。
モールス信号でSOSは「トントントン・ツーツーツー・トントントン」と、とても簡単です。
誰でも簡単に打てる事から「SOS=救難信号」として、世界中に広まりました。
しかし、現在ではモールス信号はほぼ使われておらず、自衛隊やアマチュア無線、遠洋漁業の一部のみで使われています。
SOSの送り方もし万が一、災害等で遭難したり閉じ込められてしまったりした場合、身近なものを使ってSOSを送ることが可能です。
例えば懐中電灯や携帯電話のランプ機能を使い、「素早く点滅3回・ゆっくり点滅3回・素早く点滅3回」と繰り返せば、簡易的なモールス信号となりSOSを送る事が出来ます。
ホイッスルなどの音が出るものを、モールス信号のリズムで鳴らすのも有効です。
メーデーについて
次にメーデーですが、無線電話信号を使って発信します。
海上・航空・国際用の救助用の専門周波数がありますが、緊急時であれば周波数は関係なく利用が可能です。
メーデーの呼び出しを使用した周波数は、優先的に割り当てられるルールがあり、受信した場合は速やかに救助を通報する義務が発生します。
ただし早く繋がりたいからと、救助目的メーデー呼び出しを使用するのは、犯罪として処分される事があります。
飛行機が送るメーデーメーデー以外の信号とは?
また、飛行機はメーデー以外にも信号を送る事があります。
【パンパン】
パンパンは、機体の故障した場合や病人が発生したなどの、「緊急ではないがトラブルが発生した」場合に使われる信号です。
緊急事態一歩手前で、乗員の命や機体自体にはさしたって危険に晒されていない状態に使います。
ですので、メーデーとは違い救援を要請するものではありません。
消防・救急および付近を航行中の飛行機や船舶に、発信者が緊急事態に陥る恐れがある事を伝える為に発信します。
【セキュリテ】
セキュリテは航行する上で障害が発生した場合や、天候に関する情報など、飛行機の安全に関わる情報に関して発信するときに使われます。
まとめ
救難信号のメーデーはフランス語で「ヴネ・メデ」という言葉からきており、「助けに来て」という意味です。
5月1日のメーデーとは語源が違い、発音は同じですが意味は全く違います。
また、メーデーと同じ救難信号であるSOSは、通信手段が違います。
SOSはモールス信号、メーデーは無線通信電話を用いて送ります。
SOSのモールス信号は、誰でも簡単に打てる事から、「SOS=救難信号」として世界中に広まりました。
懐中電灯の光やホイッスルの音などでモールス信号を出せるということを知っておくのと知らないのでは、いざという時に大きな差がでるかもしれません。