天気予報で、エルニーニョ現象と言う言葉を聞いた事はありませんか?
エルニーニョ現象が起きると暖冬になると言う話は有名です。
しかしエルニーニョ現象の仕組みや暖冬との関係など、 詳しく聞かれたら説明できる自信はありますか?
天気予報見た子供が「エルニーニョ現象について教えて」と言ってきて、その時ちょっと説明できたらかっこいいですよね。
今回はエルニーニョ現象のメカニズムと暖冬の関係を、わかりやすく解説します!
エルニーニョ現象を簡単に子供に説明できる?
エルニーニョ現象とは、ペルー沿岸から赤道付近にかけての海面の水温が平年より高くなり、それが1年程続く現象を言います。
子供に説明するときは、「一部の海の温度が上がっている」と教えてあげるといいでしょう。
エルニーニョ現象が起こった年には、通常と違う気象現象が起こりやすくなります。
まず第一に、エルニーニョ現象が起きるとハリケーンが起こりやすくなります。
過去に大きな災害をもたらした「カトリーナ」や「アンドリュー」も、エルニーニョ現象が発生した為起こったのです。
更に、魚の餌であるプランクトンが大量に死滅するため、各海域での漁獲量が激減するといった影響もあります。
ちなみに気象庁では、1992年からエルニーニョ現象の予測を行っており、その結果を「エルニーニョ観測速報」として毎月発表しています。
【「エルニーニョ観測速報」はこちらでチェック】
出典:気象庁ホームページ
エルニーニョ現象で2019年冬の気候は暖冬に!?
2018年11月9日に、気象庁はエルニーニョ現象が発生したことを発表しました。
これにより、暖冬になることも一緒に発表されています。
発生は2014年夏から16年春にかけて発生して以来2年ぶり。
来春まで続く可能性が高いという。
エルニーニョ現象は大気の流れや気圧に影響して世界的な異常気象を引き起こすとされる。
日本では西高東低の冬型の気圧配置が強まりにくく暖冬になりやすくなる。日本経済新聞
エルニーニョ現象になるとなぜ暖冬になるの?
では、エルニーニョ現象と暖冬関係について見ていきましょう。
エルニーニョ現象により海水の温度が上昇すると、上空に積乱雲が多く発生します。
そうすると積乱雲は上昇気流を作り、偏西風の進路が変化するのです。
偏西風の進路が北に押し上げられ、北からの寒気の流れ込みが弱くなる為に暖冬になりやすいと言われています。
また、エルニーニョ現象が起きると冬は暖冬になりやすいですが、反対に夏の気候を冷夏にするとも言われています。
気象庁の発表では、2019年春ごろまでエルニーニョ現象が起きると言われていますので、もしかしたら2019年の夏は冷夏になる可能性があります。
今までの日本のエルニーニョ現象が起こった年と現象は?
最後に、過去に日本に起こったエルニーニョ現象による影響や現象をまとめました。
・2016年
東京都心で6センチ、前橋で20センチ、熊谷では15センチの大雪となりました。
また2016年の冬は、全国的に高温かつ雨が多い傾向があったようです。
・2014年〜2015年
2014年に発生したエルニーニョ現象ですが、2014年には大きな影響を及ぼさなかったと言われています。
しかし、翌年の2015年に影響がありました。
夏の西日本および8月〜9月上旬ごろまでの東日本・西日本で冷夏となり、雨が多く振り日照時間が短くなったのです。
・2009年
2009年の夏は冷夏の傾向があり、雨が多く日照時間が短くなるなど、エルニーニョ現象の影響を受けています。
・2002年
2002年〜2003年にかけての冬は、はっきりと暖冬とは言えない気候でした。
ただ冬の降水量は多く、特に本州付近は曇りや雨の日が多かったと言われています。
まとめ
エルニーニョ現象は、南米のペルー沿岸から赤道付近にかけての海水の温度が、高くなる現象を言います。
海水の気温が高くなると積乱雲が発生し、上昇気流が発生します。
すると偏西風の進路が変わり、北からの寒気が流れ込みづらくなる為、暖冬になるのです。
エルニーニョ現象の名前は知っていてもメカニズムまでは知らない方も多いと思います。
エルニーニョ現象は日本だけではなく、世界各国の気象や経済にまで影響を及ぼすと言われています。
お子さんが「エルニーニョってなに?」と聞いてきたら、分かりやすく説明してあげたいものですね。
来年の夏は冷夏にならず、農作物等に影響が出なければいいなと思っています。
※参考資料
【 気象庁 エルニーニョ現象およびラニーニャ現象の発生期間 】