「腎盂腎炎」初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか?
インフルエンザと膀胱炎のミックスのような症状が特徴です。
慢性と急性がありますが、こちらでは「急性腎盂腎炎」にスポットをあてています。
「腎盂腎炎」とはどのような病気なのか?
代表的な症状や治療方法、予防方法などをご紹介します。
腎盂腎炎の症状と原因について
・高熱(38度以上が多い)
・悪寒や震え
・関節の痛み(ワキ腹や腰)
・全身の倦怠感
・吐き気や嘔吐
・排尿痛や残尿感
腎盂腎炎は細菌感染症です。
細菌が尿道から膀胱へ侵入し、そこで増殖した細菌が更に腎盂や腎臓までさかのぼって炎症を起こすことで発症します。
腎盂腎炎は男性よりも女性がかかりやすいと言われています。
原因として、女性は男性よりも尿道が短いので菌が逆行しやすいことと、トイレを我慢しがちなこと。
更に女性の方が尿道口が膣や肛門と近いため雑菌が入りやすいことが挙げられます。
腎臓の役目と腎盂とは?
では腎臓って何をしているの?
そもそも腎盂って何?
という方の為に簡単に説明します。
【腎臓】はそらまめのような形をしており、腰の上あたりに左右対称に2個あります
主な働きは血液を濾過して必要なものは体内に戻し、不要な老廃物等を尿として体外に排出してくれています。
その他にもホルモンや血圧の調整・血液や骨をつくる・体液量の調節などをしてくれる大切な臓器です。
【腎盂】とは腎臓の一部で、腎臓で作られた尿が集まってくる場所です。
腎臓と尿管の接続部で、じょうごのような形をしています。
腎臓から集まった尿をじょうごのように尿管へ流してくれています。
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通常であれば細菌の存在していない膀胱から尿管、腎盂にまで細菌が上がってきて炎症を起こしてしまったものが腎盂腎炎です。
腎盂腎炎の治療方法と期間について
◆ どんな検査をするの?
採血と尿検査、そして腎臓の辺りをコンコンと叩いて痛みがあるか診察します。
その他、必要と認められた際はCTや超音波検査、レントゲンや血液培養が行われることもあります。
血液・尿検査ではCRPや細菌・白血球などの種類や数を調べて今後の治療方針を決めていきます。
◆ 治療方法は?
細菌感染症であるため抗生剤が治療の中心です。
軽度な場合は通院での治療が可能ですが、重度の場合は入院が必要です。
内服薬を処方されて自宅療養で経過をみる場合と、症状が重いと診断された場合は入院して点滴で抗生剤を投与して治療を行っていきます。
治療中は安静にして十分な水分の補給が大切です。
水分補給については、自分の口から水分を補給したほうが身体への負担も少なく吸収が良いので、可能であれば積極的に補給しましょう。
また、培養検査をした場合の検査結果は数日から一週間かかるため、結果が出た頃には症状が回復しているなんてこともよくあります。
状態が良くなっていれば問題ありませんが、十分な効果が出ない場合は培養検査の結果を元に治療を進めていきます。
◆ 治療の期間はどのくらい?
通常は治療を開始してから2~3日で熱が下がりはじめます。
軽度な場合は7~10日程度自宅で内服することで回復します。
重度の場合は入院して点滴で抗生剤を投与して治療を受けます。
熱が下がって血液と尿検査をして数値が改善されていれば1週間程度で退院も可能です。
また、熱が下がると点滴から内服薬に切り替えることができ、1~2週間抗生剤を継続することで症状が良くなり完治していきます。
腎盂炎の治療で大切なのは完治させることです!!
症状がなくなったからといって薬の服用を途中でやめると再発や慢性化となる危険があります。
処方された薬は必ず指示された時間と期間を守って飲みましょう。
膀胱炎の予防が腎盂腎炎の再発防止に!
本来、健康な状態ですと人間の身体は菌を逆行する前に尿などによって流せるようになっています。
免疫力の低下やその他の原因によって、菌が身体に侵入し増殖しやすくなります。
膀胱へ侵入してしまった菌が更に腎臓まで逆行して炎症を起こすのが腎盂腎炎ですので、膀胱炎を予防することで腎盂腎炎の予防もできます。
◆ 予防のために気をつけること
2. 排尿をこまめにする・我慢しない
3. 免疫力を高める
・規則正しい生活と十分な睡眠
・バランスのとれた食事を心がける
・身体を冷やさない
・過労・ストレスを溜めない
4. 下半身の清潔を保つ
基本的なことのようですが、忙しいとなかなか実践できない場合もありますよね。
いつもより少し意識することで予防することができますので、これからの生活では注意していきましょう。
ちなみに膀胱炎では基本的に熱は出ません。
熱が出たら腎盂腎炎の可能性が高いので早めに医療機関で検査を受けられることをおすすめします。
まとめ
腎盂腎炎はかかってしまうと辛い病気ですが予防することができます。
一度かかっても再発防止に努めることで慢性化することもありません。
また軽度であれば自宅で治療が可能ですが、放っておくと敗血症などの合併症を引き起こすこともありますので注意が必要です。
まずは原因と治療方法など確認して治療・再発防止に努めてくださいね。
私が腎盂腎炎で入院した時の治療や経過は「入院日記 急性腎盂腎炎」でまとめてますのでご参考までにご覧下さい。