冬休みの宿題の「書き初め」
やった経験のある方も多いのではないでしょうか?
書道が苦手だった小さい頃の私はこう思っていました。
「鉛筆やペンでものを書く今の時代に必要ないんじゃないの?」
意外と知らない書き初めのあれこれ。
お子様に聞かれた時にもスラスラ答えられるようなってみませんか?
お正月の書き初めっていつやるもの?
書き初めはいつやるのが正しいの?
答えは1月2日です
書き初めとは、年が明けて新年に始めて毛筆で字を書く行事をいいます。
現代では、新年の抱負や目標をしたためるものとして行うことが多いですね。
ではなぜ、1月2日に行うのでしょうか?
昔の農家や商家は1月2日から仕事を始めたことから、1月2日が事始めと言われています。
一年の事始めの日には、その年の心構えや抱負などを書いて心に刻み込み、精進するとうまくいくといわれているのです。
その1年の事始めの日に、書き初めをすることが定着していきました。
実は、習い事も1月2日から始めると上達が早いと言われているんです。
さらに書き初めを1月2日にすることで、字が上手になりますように。という願いも込められています。
メールが普及して字を書く事が減った現代でも、字の上手な人は中身もしっかりしているように見えませんか?
時代が変わっても、字が上手になりたいという願いは変わらないのですね。
書初めは燃やす?終わった後の行方は?
さて、新年の抱負や目標を書いた書初めはその後どうしていますか?
実はお正月に書いた書き初めは、左義長(さぎちょう)と呼ばれる小正月に行われる火祭で焼かれます。
左義長(さぎちょう)という火祭は地方によって呼び名は違いますが、どんど焼きが有名ですね。
この時に火が高く上がって燃えると、字が上達するとのいわれがあります。
そして、その灰が空高く上がることで書き初めに書き記した抱負や目標が叶うともいわれているんです!!
せっかく書いた書き初めや新年の抱負は正しい方法で処分しましょうね。
どんど焼に行く時間がない人は、こちらの【自宅で処分する方法】で片づけましょう。
書き初めの由来を正しく説明できますか?
「書き初め」は「吉書」や「筆始」ともいわれ、若水(元旦の朝に初めて汲んだ水。邪気を払うといわれる)で墨をすって、恵方に向かっておめでたい言葉や詩歌を書くという行事から始まっています。
今では信じらないかもしれませんが、昔は今よりも教育が進んでいなかったので読み書きができない人もたくさんいたのです。
一般庶民では筆で字を書く習慣がほとんどなく、書き初めは最初は宮中や諸藩の塾など一部の限られた人たちで行われていたそうです。
江戸時代に入り、子供たちが学問を学べる【寺子屋】が開校したことで書き初めは庶民の間でも広まっていきました。
さらに明治時代になると義務教育になりその学校で習字が必修科目となったので書き初めは一気に普及してきたそうです。
書き初めが普及したのもまだまだ最近のことなんですね。
書き初めをやる意味や理由に嬉しい効果とは?
「お正月から面倒くさいな」
「普段ペンで書いているのに、なんで今更筆で字を書くの?」
なんて思ったことありませんか?
「書き順や綺麗な文字なら硬筆の授業で習うし、何の意味があるのだろう??」
実は書き初めには脳を刺激するすごい効果があるんです!!
今の学校では「習字」「書道」の授業ではなく「書写」といいます。
お手本通りに美しい字を書いていくのが書写です。
さて、美しい文字を書くためには正しい姿勢と筆の持ち方が要求されます。
また、鉛筆のように消しゴムで消すわけにはいかないので、緊張感も生まれます。
文字を書くだけでも脳は刺激されますが、普段意識しないことを意識するだけで
脳の活性化に役立っているのです。
そして姿勢を正して丁寧に、一画一画書き進めることで集中力が高まります。
普段落ち着かないお子さんが、書道の時間には見違えるように集中している
という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
この【お手本をじっくり見てその通りに書く】
これが意外と難しくて、最初のころは苦戦します。
しかし、この時にとめ・はね・はらいや点の位置などの文字のバランスを学ぶこともできます。
そして毛筆で文字のバランスの基本を意識することで、普段のペン字にもとても生きてくるんです。
そして嬉しいことに、言葉に書いた抱負や目標は実現しやすいというデータもあります。
思っているだけではすぐに忘れてしまいますよね。
自分の言葉を目で見ることで脳はその目標が達成するように可動してくれるそうです。
・集中力の向上と、脳の活性化に役立つ
・硬筆の文字も美しく書けるようになる
・新年の抱負が叶いやすくなる
書き初め大会が武道館で行われています
余談ですが、毎年1月5日に日本武道館で日本の伝統文化である書道を広めようと
約4,000人が一斉に書き初めを行う大会が開催されてるのは知っていますか?
小さい子供から90歳くらいまでの幅広い年齢層の人が参加しています。
世代を超えて皆が心を静めて一斉に書き初めをする姿はとても美しく、テレビで放映されたり、最近では海外からも注目が集まっています。
機会があれば、親子で応募してみるのはいかがでしょう?
さいごに
今年は一年の初めに、清らかな気持ちで新年の抱負を
ぜひ書き初めに書いてみてくださいね!!
そして書き初めが終わった後は、道具のお手入れも大事です。
次回も綺麗に使えるように【書道の筆のお手入れ方法】もチェックして、きれいに片付けるようにしましょうえ